「1級鉄筋組立技能士」「基幹技能士」の国家資格から「玉掛け」「足場の組立て」などさまざまな資格があります。鉄筋工として働くことに資格はいりませんが、キャリアアップには資格の取得が有効になります。

職業能力開発促進法に基づく資格

1級(2級)鉄筋技能士

技能や知識を一定の基準で検定し、厚生労働省が公的に証明する制度です。また、国土交通省は、官庁営繕工事(国の行政機関の建物の工事)において、1 級技能士の常駐を義務付ける1 級技能士常駐制度を設けています。

鉄筋技能士とは?

技能や知識を一定の基準で検定し、厚生労働省が公的に証明する制度です。また、国土交通省は、官庁営繕工事(国の行政機関の建物の工事)において、1級技能士の常駐を義務付ける1級技能士常駐制度を設けています。
鉄筋技能士検定は、「鉄筋組み立て作業」と「鉄筋施工図作成作業」の2作業に区分され、どちらの作業にも「1級」と「2級」があり、受験者が経験年数に応じて選択して受検します。
また、それぞれ学科試験と実技試験とによって実施されます。
技能検定に合格した人は、1級は厚生労働大臣の、2級は東京都知事の合格書と技能士章が交付され、職業能力開発促進法に基づき「鉄筋技能士」と称することができます。

受験資格
2級実務経験のみで 2年
1級実務経験のみで 7年又は、2級合格後実務経験 2年

但し、検定種目と同一の職業訓練、専門の学校を卒業の場合は短縮の制度があります。

建設業法に基づく資格

登録鉄筋基幹技能者

現場で働く鉄筋技能者を束ね、指示・指導をしながら「鉄筋工事の責任施工」を実施する熟練技能者で、上級職長に位置づけられる文字どおり技能者の最高峰に立つ大変有能な鉄筋技能者です。
この資格は、国土交通省が建設業構造改善事業の一環として作成した「基幹技能者の確保・育成・活用に関する基本指針」に基づいて(社)全国鉄筋工事業協会が認定する国土交通省の登録資格です。
※関西鉄筋工業協同組合会員企業の登録鉄筋基幹技能者数は、144名です。

登録鉄筋基幹技能者の役割

(1)施工範囲の確認 (契約に含まれる施工範囲の確認・調整) 
(2)施工方法の確認(仮設工事、施工順序、施工上検討項目の確認)  
(3)施工方法の提案(新工法、工法改善、設計変更等の提案)  
(4)品質管理(自主的配筋検査と不具合箇所の処置)
(5)工程管理(元請、他職との工期打合せと労務手配)
(6)安全衛生管理(現場での安全衛生責任者を務める)  
(7)原価管理(各部位別の歩掛かり把握と契約範囲の把握)
(8)他職種との連絡調整 (とび土工、大工、設備業者等との打合せ)

登録鉄筋基幹技能者の認定方法

鉄筋基幹技能者の認定は、次の4項目の受講資格を有するものが、全鉄筋が主催する3日間~4日間の認定講習会を受講し、修了試 験に合格したものに与えられます。
(1)技能検定による1級鉄筋施工(組立)技能士資格を保有していること
(2)労働安全衛生法第60条(施行令第19条)による「職長教育」+「安全衛生責任者教育」、または「職長・安全衛生責任者教育」を修了していること
(3)鉄筋に関して10年以上の現場施工経験を有すること
(4)鉄筋工事の現場施工において、「職長教育」の修了後3年以上の職長経験を有すること

労働安全衛生法に基づく資格

職長・安全衛生責任者教育

職長教育とは、建設業をはじめ一部の製造業、電気/ガス/自動車整備/機械修理業に従事される方で、職長(管理監督者)や作業を直接指揮監督する立場に就く方を対象とした安全衛生のための教育のことです。この教育は、労働安全衛生法第60条で義務付けられた法定教育となります。

安全衛生責任者教育とは、主に建設業の大規模工事現場等において作業を請負う会社(元請以外)の責任者の方が、管理監督者として適切に職務を励行するための教育のことです。この教育は、労働省(現:厚生労働省)労働基準局長より通達された法定教育となります。

玉掛け技能講習

玉掛作業者は、労働安全衛生法第61条、第76条にて規定されている「玉掛け技能講習」及び「玉掛け特別教育」を修了した技能者です。 荷重1t以上の揚荷装置およびクレーン、移動式クレーン、デリックの玉掛業務を行う技能者を認定する国家資格です。

ガス溶接技能者

ガス溶接技能者とは、労働安全衛生法に定めるガス溶接技能講習を修了し、可燃性ガス(アセチレン・プロパンなど)と酸素を使用した金属の溶接、溶断、加熱の作業を行う人のことです。講習と修了考査で取得できます。

クレーン運転

クレーン・移動式クレーン・玉掛けの業務に就くにはそれぞれのつり上げ荷重等にたいして免許、技能講習又は特別教育の資格が必要です。

高所作業車の運転

高所作業車運転者とは、作業床の高さが10m(メートル)以上の高所作業車を運転することができるようになる国家資格です。講習を受講して修了すれば取得が可能です。
10m以上の高所作業を行う場合は運転技能講習、10m未満の作業であれば特別教育と、二種類の講習があります。

アーク溶接作業者

アーク溶接作業者とは、労働安全衛生法に基づくアーク溶接特別教育の講習を受けて修了し修了証の交付を受けた者のこと。溶接棒(金属電極)と被溶接物の間にアーク(火花)を発生させ、その熱を利用して溶接する方法のアーク熔溶接を行う上で必要な資格です。講習と修了考査で取得できます。